長距離走のコツ

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長距離走の完走や速く走ることを根性論で済ませようとする指導者もいますが、コツをつかまずに練習をするのはとても効果が薄く、合理的であるとは到底言えません。そのような方法でトレーニングを続けていたのでは、結果が出なくて走るのが嫌になってしまっても仕方ありません。

本格的に陸上競技の成績を上げるためにトレーニングをする人と、体育で持久走があるので手軽にコツをつかんでおきたい人、そして健康のためにジョギングを始めたい人では練習のメニューが変わってくるのは当然のことです。まずは、速く走るための方法について、基本的なところから押さえておきましょう。

長距離走の呼吸法

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代表的な有酸素運動とされているだけあって、上手に呼吸をしなくては体力が続きません。実際、かなり疲れた状態で息をするのが少しとどこってしまっただけで、相当に苦しいことが試してみると分かります。ほんの一呼吸ですらそれだけ大きな影響を及ぼすことになります。

ということは、走る時に適した呼吸法を身に付けていない人は、それだけで大きな損をしていることになります。同じ身体能力であっても、本当はもっと早く走る才能を持っているかもしれないのに、それを活かしきれていないのです。長距離走が速くなる方法の中でも意識するだけで気軽に変えられる手段ですので、試してみる価値があります。

一般的な長距離走の呼吸法としては、2回息を吐いてから2回続けて吸うという方法です。「吸って吐いて」ではなく、「吸って、吸って、吐いて、吐いて」という独特なリズムになります。本能的に行えるものではないので、意識して行う必要があります。

それぞれの走り方や身体能力も加味して、最適な呼吸法を探していくのが理想ではありますが、それには長い時間と多くの試行錯誤が必要になります。理想としては、長距離走を専門とするトレーナーの協力も必要となります。そのため、上記の基本となる方法を利用しておくのが現実的でしょう。

長距離走のフォーム

まずは全身の力を抜いてください。スタートラインに付いた時に、肩に力が入っていないか確認しておきましょう。速く走ることではなく、無駄な体力を使わずに効率よく前に進むことが大切ですので、フォームを作る前に、まずはリラックスしておくことが必要です。

短距離走のように脚を高く上げたり、腕を大きく振る必要はありません。手は軽く拳を握って、腕を後ろに若干大きく振るようなイメージにしておきましょう。脚の使い方としては、足の裏を意識すると正しいフォームに近づきます。かかとから着地して、指の付け根の辺りで地面を蹴る感覚です。足の裏をまんべんなく地面に着けるものの、一度にベタベタくっつけるのではなく、重心を前に移動させていくことになります。

体の重心が上下していると、そのために体力を浪費していることになります。重心をまっすぐに前に進めていくのが、長距離走の正しいフォームです。

トレーニングの目的

やみくもに練習をしている場合の問題としては、目的を見失ってしまいがちなところにあります。そもそも、最初から設定されていないことすらありますが、これでは長距離走が速くなることは期待できません。

トレーニングの目的は、大別すると2つに分けられます。身体能力の向上と技術面での進歩です。たとえば、正しい呼吸法やフォームを身に着けることは後者に該当します。この2つは同時に鍛えられるのも事実ですが、どちらに重点を置くかによって、練習方法が変わります。

自分のペースを知るためには、走りこみが重要であることは事実です。本番を想定したトレーニングをしておくことによって、どの程度のスピードで走るのが最も効率的であるかを知ることができます。

しかし、フォームや呼吸法が不適切な状態のままでは、練習をして持久力を付けたとしても、体力を浪費しながら走ることになるため、穴の開いたバケツを使って水を運んでいるようなものです。まずは穴をふさぐことが先決なのです。

専門のトレーナーやコーチの指導を受けながら練習を受けるのが理想ではありますが、実際にはそこまで恵まれた競技環境は誰にでも身近なものではありません。まずは自分の走り方をチェックして、消耗の少ないフォームを探していくことになります。

デッド・ゾーンとセカンドウィンド

長距離走はスタートしてからゴールするまで体力を消費し続けるわけですが、苦しさもそれに比例しているわけではありません。ここで重要なポイントとなるのが、デッド・ゾーンとセカンドウィンドという2つの要素です。

まず、デッド・ゾーンとは運動に体が十分に対応できていない時間帯を指し、この時には苦しいです。しかし、辛くても走り続けていると、心肺機能をはじめとした体の機能が順応して楽になります。これがセカンドウィンドです。

デッド・ゾーンに入ったからといってペースを落としてしまうと、苦しいまま終わってしまうこともあります。また、基礎体力が不十分だとセカンドウィンドに達することが難しいといった問題があります。

セカンドウィンドは長距離走の醍醐味と言ってもよいほどに快適に走ることができる時間帯です。これを経験することによって、走ることが好きになる人も少なくありません。

デッド・ゾーンを短く抑えるためには、スタート前に十分に準備運動をしておくことです。ウォームアップによって体が走るための用意を整えておけば、それだけ短時間で走ることにも対応できるためです。

体育の持久走を速く走るコツ

授業で持久走を走らなければならない場合、あるいは学校でマラソン大会がある場合には、その距離を走るための練習をすることなく、本番ということになります。この場合に鍵を握るのはペース配分です。早すぎれば体力が続かず、遅すぎればタイムが悪くなります。

持久走やマラソン大会と同じ距離を事前に走っておけば、ベストなペースを想定することができますが、これでは手間と時間がかかります。もっと手軽な方法を望んでいる方もいると思いますので、そのための方法を紹介しておきましょう。

様子を見ながら走る場合、たいていは余分な体力を残しすぎます。持久走は一瞬で終わる競技ではないので、たとえば前半はスピードを早くしておいて、後半で調整することが可能です。そのため、最初から余力を温存するのではなく、最初に速いペースで走っておき、終わりが近づくにつれて帳尻あわせをした方が、良いタイムが出やすくなります。

遅く走りすぎたことに終わりごろになってから気付いても、そこでラストスパートをかけることによって短縮できるタイムはたかが知れています。できるだけペースを平均化するのが長距離走を早く走るコツですので、最初に勝負をかけているように見えるぐらいのスピードを出しておくことで、出し惜しみを防ぐことができます。

ジョギングを続けるコツ

速く走ることではなく、継続することを目的とする場合の話です。持久走のようにタイムにこだわるのではなく、楽しく走ることがコツになりますので、体育の授業のように全力を尽くす必要はありません。手抜きと言ったら語弊があるかもしれませんが、苦痛に感じるほどに頑張らないことが大切です。

体育やマラソン大会をはじめとした学校教育では、持久走で速く走ることは能力として評価されますが、趣味でジョギングをしている場合には、誰かがタイムを計っているわけではありませんし、競争しているのでもありません。ストレス解消や健康のために走るのであれば、楽しむことが大切です。

セカンドウィンドの感覚を再現するために真剣に走りこむのも一つの方法ですが、軽く息が上がって爽快な汗を流したところで切り上げるのも悪くありません。考えるべきなのは、次も走りたいと思うかどうかです。

長距離走と言っても、実際には幅があります。フルマラソンのように何時間も走るものもあれば、十数分で終える人もいます。目的によって、適度な長さに調節すればよいことなので、気負わないようにしておくとよいでしょう。

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